トルティーヤの種類と違い|タコスの味を決める主役
2025.10.12

タコスを語るうえで欠かせない存在――それがトルティーヤです。
日本の食卓でいえば、おにぎりのご飯、寿司でいえばシャリ。具材を包むだけでなく、タコス全体の香りや味わいを左右する“主役”と言っても過言ではありません。
ここでは、そんなトルティーヤの種類とその違いを改めてご紹介します。
トルティーヤとは?
トルティーヤは、丸く平らに伸ばした薄焼きの生地。この上に具材やサルサをのせ、折りたたんで食べるのがタコスの基本スタイルです。
メキシコではトルティーヤが食卓の中心にあり、朝昼晩どの食事でも登場するほどの国民食。シンプルな見た目ながら、その種類や風味の違いは奥が深いんです。
トルティーヤの種類
トルティーヤには大きく分けて、2つの種類があります。
・フラワートルティーヤ(小麦粉のトルティーヤ)
・コーントルティーヤ(とうもろこし粉のトルティーヤ)
さらにコーントルティーヤは、焼いて仕上げるソフトタイプと、油で揚げたハードタイプの2種に分かれます。
上の画像では、左から「フラワートルティーヤ」「コーントルティーヤソフトタイプ」「コーントルティーヤハードタイプ」です。
フラワートルティーヤ
小麦粉を原材料にしたトルティーヤ。ふんわり柔らかい食感で、スーパーなどでも手軽に入手できます。
「オールド・エルパソ(Old El Paso)」のフラワートルティーヤは見たことがある方もいるかも知れません。

ただし、こちらはアメリカで広まったタイプであり、メキシコ本来の味とは少し異なります。手軽に楽しめる一方で、現地の本格タコスを再現したいならコーントルティーヤがおすすめです。
コーントルティーヤ
とうもろこし粉を使ったトルティーヤで、メキシコではこちらが主流。ソフトタイプとハードタイプがあり、どちらも香ばしい風味が魅力です。
・ハードタイプ
油で揚げて仕上げるもので、日本ではトルティーヤを小さくして揚げた「トルティーヤチップス」としておなじみ。こちらも、スーパーでも見かける「オールド・エルパソ(Old El Paso)」の「タコシェル」が有名です。

・ソフトタイプ
日本ではあまり流通していませんが、メキシコでは最もポピュラー。焼きたての香りともちっとした食感が魅力です。
タコスピでは、この本場メキシコ式のソフトタイプ・コーントルティーヤを取り扱っています。
コーントルティーヤはどう作られる?
原材料はもちろんとうもろこしですが、ただ粉にしただけではありません。トルティーヤづくりの要となるのが、「マサ(Masa)」と呼ばれる生地。
とうもろこしを石灰水で処理する「ニシュタマリゼーション(nixtamalization)」という工程を経て、粘りと香りを引き出します。これを団子状にまとめ、トルティーヤプレスで丸く伸ばしたものが、あの香ばしいトルティーヤになるのです。
乾燥させて粉状にしたものは「マサ粉」と呼ばれ、タコスピではメキシコ産とうもろこし100%使用の「Naturelo」社のマサ粉を採用しています。
蕎麦で例えるなら、「マサ」は“そばがき”、「マサ粉」は“そば粉”といったイメージです。
手作りトルティーヤのこだわり
タコスピでは、業務用の大型プレス機ではなく、家庭用のトルティーヤプレスを使って1枚ずつ成形しています。手間はかかりますが、そのぶん厚みが出て香りが立ち、破れにくい仕上がりに。
口に含んだ瞬間に広がる香ばしさと、しっかりした食感――。これこそが手作りのコーントルティーヤの魅力です。

まとめ|トルティーヤの違いを知ると、タコスはもっと楽しい
トルティーヤは、ただ具材を包むための皮ではありません。香り、食感、厚み――そのすべてがタコスの個性を形づくります。
小麦粉の軽やかさも魅力ですが、とうもろこしの香ばしさを存分に楽しみたいなら、コーントルティーヤのソフトタイプをぜひお試しください。きっと「タコスってこんなに奥深いんだ」と感じられるはずです。